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kintone hive tokyo vol.21 開催レポート
開催日:2025年7月15日 会場:Zepp DiverCity

講演レポート&登壇動画

※登壇動画は2026年5月末までの期間限定公開となります

“kintone嫌い”の営業担当が改革の旗手に
マイナビが乗り越えた新規事業の「成長痛」

株式会社マイナビ

五十嵐 康平 氏/前廣 悠香 氏

 「事業だけではなく“事業視点を持つ人材”が育ったのはkintoneによる内製ならでは」 ―― と語るのはマイナビ 教育研修事業部の五十嵐康平氏だ。同事業部はビジネス拡大に伴いkintoneを導入。単なる課題解決にとどまらず、当初はkintoneに対してネガティブだったメンバーが事業推進の中心的存在になるなど、人材の成長にもつながったという。

 トップバッターを務めたマイナビ 教育研修事業部の五十嵐康平氏と前廣悠香氏は、売上頭打ちの危機やガバナンス、離職などの“成長痛”を乗り越えた、kintone活用の歩みについて披露した。

 マイナビは、「一人ひとりの可能性と向き合い、 未来が見える世界をつくる」をパーパスに掲げ、多様なサービスを展開する総合情報サービス企業だ。その中で、五十嵐氏と前廣氏が所属する教育研修事業部では、企業向けの研修サービスやHRテックサービスを手掛けている。

 同事業部の売上の約9割を占めるのが、顧客ごとにプログラムをカスタマイズする「講師派遣型の社員研修」だ。その業務は多岐にわたり、ヒアリングから企画提案、受注後の調整、テキスト準備、講師への発注、当日の運営フォローまでを一気通貫で提供する...

“毎年3割が入れ替わる”特殊な組織でペーパーレス
地方にもDXを波及させた地域活性化センター

一般財団法人地域活性化センター

西田 周平 氏

 「毎年職員の3割から4割が入れ替わる、すごく特殊な組織です」 ―― 約7割が地方公共団体からの出向職員で占められている地域活性化センター。テレワークやフリーアドレスを導入する先進的な働き方を実践する一方で、“ワークフロー”だけは時代に取り残されていたという。

 2番手で登壇した地域活性化センターの西田周平氏は、部長の机に決裁書類が積み上がり、ロッカーにまで突っ込まれていたような非効率な決裁フローをkintoneで解消し、最終的には出向職員の地方自治体まで広がった“DXの連鎖”が生まれるまでの道のりを語った。

 地域活性化センターは、「地域づくりはひとづくりから」を理念に、地方活性化や地方創生を担う人材の育成を事業とする一般財団法人だ。総務省の関係団体として1985年に設立され、今年で40周年を迎える。会員は1926団体に上り、ほぼすべての地方公共団体と、活動に賛同する民間企業等で構成されている。

 同センターの組織構成には大きな特徴がある。全79名の職員のうち53名、実に67%が地方公共団体からの出向職員で占められていることだ。しかも任期は原則2年と決まっている。

DXはゲームセンターの“落とし物管理”から加速した
海外まで広がるGENDAのkintone活用

株式会社GENDA

寺井 裕介 氏

 M&A後の事業統合を円滑に進めるために、エンターテインメント企業のGENDAに導入されたkintone。その後作られたアプリはわずか数個にとどまり、途中入社の寺井氏がアピールするも社内の反応は冷ややか。転機となったのは、ゲームセンターの“現場”から舞い込んだ業務改善の相談だった。

 3番手で登壇したGENDAの寺井祐介氏は、伴走支援で現場のアプリ作成を推進しているうちに、海外支社まで広がったkintone活用について語った。

 GENDAは、ゲームセンターの「GiGO」やカラオケチェーンの「カラオケBanBan」などを運営するエンターテインメント企業だ。積極的なM&Aにより事業を急拡大しており、寺井氏自身もその流れでGENDAに加わっている。

 2021年上旬、寺井氏はゲームセンターを運営する別の企業で、いわゆる「ひとり情シス」として働いていた。当時、Excelでの管理に限界を感じていた中で、kintoneと出会った。業務改善につながる手応えを感じたものの、なにぶん業務が多岐にわたっていた。上長から「1人じゃ管理できないでしょ」と言われ、導入までには至らなかったという...

“Excel地獄”から始まった全社DX
若手女性社員の熱意が老舗企業の「ITなんて無理」を覆す

株式会社プロサス

小田 凪波 氏/黒田 章太 氏

 消防設備事業を手掛けるプロサスにて、“平均年齢52歳”とベテラン専門職が集う設備部。同部署における事務業務の肥大化が課題となる中で、一人の若手女性社員に白羽の矢が立った。「設備部でも頑張るぞ!」と意気込む彼女を待ち受けていたのは、まさに“Excel一色”な業務。この状況を打破すべく始めたkintone活用が、やがて全社に広がっていく。

 4番手で登壇したプロサスの小田凪波氏、黒田章太氏からは、異動先の業務・意識変革からアナログな老舗企業を変えるまでに至った、若手社員の奮闘劇が語られた。

 プロサスは、防災・消防設備資材の専門商社だ。1975年創業の老舗企業で、消火器や火災報知機、避難器具などを取り扱うほか、点検・工事サービスも提供している。

 同社の中で、消防設備の点検・工事を担う専門職「消防設備士」が所属するのが設備部だ。同部署は一時期、縮小傾向にあったものの、再び事業を盛り上げるために、各地からエキスパートを集めていた。ただ、消防設備士が増員される一方で、彼らを支える事務作業の肥大化が深刻な課題だったという...

※kintone AWARD 代表に選出されているため
登壇動画・講演資料はAWARD終了後に公開予定

“なんとなく”の現場改善、もうやめません?
kintone運用6年で辿りついた自動化と可視化

株式会社アドウェイズ

上森 香 氏

 「皆さん、kintoneによる“なんとなくの改善”をそろそろ終わりにしませんか」 ―― kintoneを導入して6年が経つアドウェイズ。営業中心に効率化を達成していたものの、どこか思い込みで現場の改善を進めていたという。そこで同社が乗り出したのが、アプリのエラーや行動ログの分析だった。

 5番手で登壇したアドウェイズの上森香氏は、kintoneアプリの自動化と可視化によって実現した一歩先の業務改善について披露した。

 アドウェイズは、インターネット広告代理業を主軸に、多岐にわたる事業を展開する東証プライム上場企業である。同社が仕事やサービスを提供する上で大事にしている価値観は「なにこれ すげー こんなのはじめて」であり、企業のパーパスにも盛り込まれている。

 同社がkintoneを導入して、6年が経過している。現在、600を超えるアプリが稼働しており、クライアント登録から広告の受注まで、さまざまな業務がkintone上で行われている。上森氏は「kintoneさんとは相当ずぶずぶな関係」と冗談めかして語る...

シェア100%の重圧を跳ね除けろ
味の素ファインテクノの業務改善は、kintoneで加速した

味の素ファインテクノ株式会社

大野 隆之 氏

 半導体製造に欠かせない層間絶縁材で世界シェア“ほぼ100%”を誇る、味の素ファインテクノ。同社の業務改善の取り組みは、供給責任のプレッシャーから始まった。たった4人で始まった改善活動は、kintoneというツールを得ることで加速。今では100名がアプリ開発を経験するほど、市民開発による業務改善が広がっているという。

 6番手に登壇した味の素ファインテクノの大野隆之氏は、10年にもわたる業務改善のあゆみと市民開発が浸透した秘訣について披露した。

 味の素ファインテクノは、味の素グループの化学メーカーである。同社の主力製品は、パソコンの絶縁材料として使われる「味の素ビルドアップフィルム(略称ABF)」だ。うま味成分であるグルタミン酸の製造技術の副産物として生まれた素材であり、今やAIサーバーやゲーム機にも利用され、そのシェアはほぼ100%を誇る。

 だが、世界シェア100%という実績の裏には、想像を絶するプレッシャーがあった。半導体市場の拡大とともに同事業は成長を続け、業務量も増大の一途をたどっていた...

わずか3名で5万6000人へのkintone展開
「作る」から「変える」マインド変革が突破口に

ロジスティード株式会社
辺 玉婷 氏

 社員数が5万6000人を超える物流大手のロジスティードは、kintoneの全社展開に踏み切った。課題が山積みな一方で、推進メンバーはわずか3名のみ。工夫を凝らして施策を展開するも、思い通りに進まない。転機となったのは、「何を変えるべきか」という本質的な問いに向き合うことだった。

 ラストを務めたロジスティードの辺玉婷氏は、kintoneの全社導入に向けた、市民開発推進とマインド変革の軌跡について披露した。

 ロジスティードは、グループ社員数5万6000人を抱える、総合物流企業だ。3PL(サードパーティロジスティクス)事業で成長を続けており、2023年に日立物流から社名を変更している。

 2017年の入社以来、VC(バリューチェンジ&クリエーション)センターで業務改善に取り組んできた辺氏は、2022年からkintoneの全社展開を担当することになる。しかし、大規模の組織でのkintone活用は、想像以上に多くの壁が立ちはだかったという。

kintone AWARD 関東・甲信越地区代表

すべての講演が終了後、参加者から投票を募り、
今年のNo.1事例を決める決勝大会
「kintone AWARD」に出場する地域代表を決定!
見事、kintone AWARD 代表に選ばれたのは・・・

関東・甲信越地区代表は 株式会社プロサス 小田 凪波 氏/黒田 章太 氏!

今年秋に開催予定のCybozu Days内でkintone AWARDを実施します。そちらもお楽しみに!

ご講演いただいた登壇者の皆さま、当日ご参加いただいた皆さま
本当にありがとうございました!