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kintone AWARD 2025 開催レポート
開催日:2025年10月28日 会場:幕張メッセ

講演レポート

モンスターExcelもそのままkintoneアプリ化
老舗企業を整トーン(頓)した「小田トーン」の実力

株式会社プロサス

小田 凪波 氏/黒田 章太 氏

 「私は毎月毎月、Excelを何往復すればいいんでしょうか」―― 異動したプロサスの若手社員・小田氏を待ち受けていたのは、Excelが飛び交う膨大な事務業務。起死回生の小田氏によるkintoneアプリ、通称「小田トーン」は、アナログな部署だけなく、会社全体を変革することになる。

 トップバッターは、消防設備のプロフェッショナル集団であるプロサスだ。50年の歴史を持つ老舗企業で、消火器や火災報知器の販売、点検、工事を手掛ける。同社から小田凪波氏と黒田章太氏がダブル登壇した。

 かつてのプロサスは、紙の書類、昭和の働き方、属人化と3拍子揃い、とにかくExcelが跋扈(ばっこ)する、典型的なアナログ中小企業だった。 物語の主役は小田氏だ。2021年に販売部へ入社後、設備部へ異動となる。そこは、国家資格を持つ消防設備士「ボウサイズ(防災s)」が集う現場の最前線。だが同時に、「おじさんしかいない!」(黒田氏)環境であった…

PCに行列ができる、旧態依然な業務にサヨナラを 
kintoneで年2546時間の残業を削った日本海ガス

日本海ガス絆ホールディングス株式会社

松井 義行 氏

 店舗に1台のPCに日々並ぶことが「当たり前」になっていた子会社のDX化プロジェクト。通常業務に追われて一度は中断するものの、“小さな業務改善アプリ群”を作ることで再始動する。

 2番手に登壇した日本海ガス絆ホールディングスグループの松井義行氏は、子会社の旧態依然な業務の変革からグループ全体へと広がった、kintone活用の歩みについて語った。

 日本海ガス絆ホールディングスグループは、富山県と石川県に事業を展開する、総合エネルギーグループである。グループ15社で、都市ガス・LPガスの供給・販売といったエネルギー事業からインフラ整備事業、トータルライフ事業まで、多角的にサービスを展開している。

 同グループのIT整備や業務改善を担うのが、松井氏が所属する「DX推進部」だ。2023年に発足しているが、「同部への社内の期待は想定を遥かに超えていた」(松井氏)という…

悪夢のExcel多重入力と決裁スタンプラリー
システム刷新の反発は“ライブ改善”で乗り越えた

大英産業株式会社

柚田 耕太郎 氏/江 菜那 氏

 Excelによる二重三重の入力、外では開けない社内システム、決裁のためのスタンプラリー。大英産業が長年抱えてきた業務課題を解消すべく、基幹システムのkintone化プロジェクトが始動した。しかし、旧システムを作り変えただけのアプリでは、「前の方がマシ」と現場からの反発をまねく――

 3番手に登壇した大英産業の柚田耕太郎氏と江﨑菜那氏は、基幹システム刷新と全社員のDX意欲醸成に寄与した、“アプリのライブ改善”の取り組みについて披露した。


 大英産業は、九州・山口エリアで分譲マンションや戸建て、中古住宅などを手がける総合不動産会社だ。創立は1968年、社員数約500名を擁し、地域密着型の事業を展開している。「突然ですが、想像してください。二重三重入力、終わらない社内業務、外で開けない社内システム、上司のデスクを巡るスタンプラリー。すべて4年前の大英産業です」(江﨑氏)…

業務改善とは「人の弱さと向き合う」こと
だからkintoneの利用は“あきらめた”

アースセキュリティ株式会社

中西 さやか 氏

 「業務改善とは人間の弱さと向き合う仕事」と語るのは、大阪の警備会社であるアースセキュリティの中西さやか氏だ。だからこそ同氏は、kintoneを導入するも、現場の警備員に“使ってもらうのをあきらめ”、DXを一人で抱え込まずコミュニティに助けを求めた。

 4番手に登壇したアースセキュリティの中西氏は、巨大ホワイトボードで現場の管理をするようなアナログ業務を改善し、年1500時間の削減を達成した、kintone+αによるDX施策ついて披露した。

 アースセキュリティは大阪を拠点とする警備会社だ。その事業は、工事現場での交通誘導をはじめ、施設やイベントの警備、防犯カメラ設置や情報セキュリティまで多岐にわたる。

 現在、25歳の中西氏は警備員として入社したが、経理事務へ異動。そこで彼女が目にしたのは、「ドン引き」するほど非効率なアナログ業務だった…

コロナ渦で売上激減。社長自作のkintoneアプリで回復も、変革のラストピースになったのは

株式会社イヤタカ

大野 恒平 氏

 コロナ禍にて売上が激減し、社員の3割が離職した老舗ブライダル企業であるイヤタカ。残った社員の言葉で覚悟を固めた大野社長は、自らkintoneアプリを開発し、変革に乗り出した。結果、成果は得られたものの大野氏一人の力では、改善の勢いが衰え始める――。

 秋田市の彌高(いやたか)神社を母体に、ブライダル事業を手掛ける老舗企業のイヤタカ。時代の変化にあわせ、レストランや介護、コーヒー豆焙煎、Web制作と事業の多角化を図っている。

 大野氏は東京出身で、かつては監査法人に勤務していた。妻の実家であるイヤタカの跡継ぎ問題を受け、「家族の役に立ちたい」との想いから秋田へ移住し、2018年に社長に就任。しかし、大野氏と会社を、新型コロナウイルスが直撃する。

「目の前から一瞬にして仕事がなくなり、日常が一変しました。結婚式や宴会予約のほとんどがキャンセルとなり、売り上げは激減。仕事がなくなったため、当時100名超いた常勤社員のうち、約3割が会社を去っていきました。社長になりたての私は、何度も心が折れそうになりました」…

給与20%増達成で社員の人生も変えた。
平均年齢64歳の地方バス・タクシー会社はkintoneで未来をつなぐ

ニコニコ観光株式会社

漆川 敏彦 氏

 「とんでもないところに来てしまった」―― ある地方バス・タクシー会社の社長は、ドライバー不足と平均年齢64歳という高齢化により追いつめられていた。ドライバーが“未来を描ける職場”にするための施策も、現場に混乱を招いてしまう。救世主となったのは、kintoneとパートタイマーの女性だった。

 トリを務めたニコニコ観光の漆川敏彦氏が語ったのは、従業員ファーストなシンプルな“仕組み化”で会社を立て直し、kintoneで社員の人生を変えるまでに至った物語だ。

 地方の運輸・交通業界が直面する現実は厳しい。恒常的なドライバー不足、そして深刻な高齢化。広島県福山市のニコニコ観光も例外ではなかった。同社はタクシーやバス、旅行業を手掛ける、創業65年目になる老舗企業だ。

 社長の漆川氏は8年前、異業種である人材ビジネス業から同社に飛び込んだ。「とんでもないところに来てしまった」 ―― それが漆川氏の偽らざる第一印象だった…

講演動画

※公開準備中

kintone AWARD グランプリ

すべての講演が終了後、「kintone AWARD グランプリ」を決める決選投票を行いました!
見事、kintone AWARD グランプリに選ばれたのは・・・

株式会社プロサス
小田 凪波 氏/黒田 章太 氏!

ご講演いただいた登壇者の皆さま、当日ご参加いただいた皆さま
本当にありがとうございました!